DX・IT導入 SPECIAL REPORT — Vol.1755

経営者のためのDX用語辞典|API連携からノーコードまで整理

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編集部 / biz-trend編集部(株式会社弥)
| 2026.06.28 公開 | 更新:2026.07.27 | 読了 9分
経営者のためのDX用語辞典|API連携からノーコードまで整理
Photo by BizTrend 編集部 / 2026.06.28

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DXの会議で飛び交う「API連携」「ノーコード」「iPaaS」――言葉の意味が曖昧なまま意思決定を迫られた経験はないでしょうか。用語の理解が揃わないと、ベンダーの提案を正しく評価できず、投資判断もぶれます。本記事は、中堅企業のCFO・経営者が押さえておきたいDX用語を、経営判断に必要な範囲で簡潔に整理した用語辞典です。技術の細部ではなく「何のための言葉か」を中心に解説します。

結論:DX用語は「つなぐ系(API・iPaaS・連携)」「つくる系(ノーコード・ローコード)」「使う系(BI・RAG・SaaS)」の3グループで捉えると整理しやすくなります経営者が全用語を技術的に理解する必要はなく、各用語が「どんな業務課題を解決するための言葉か」を押さえれば、ベンダーとの会話と投資判断は十分に進められます。本記事の用語表をブックマークし、会議の前後で参照する使い方を想定しています。

DX用語を3グループで捉える

DX関連の用語は数が多く、すべてを暗記するのは現実的ではありません。経営の視点では、用語を機能で大別すると見通しが良くなります。システム同士を「つなぐ」言葉、業務システムを「つくる」言葉、データやAIを「使う」言葉の3つです。下のグループ図はその全体像です。

つなぐ系API・iPaaSデータ連携 つくる系ノーコードローコード 使う系BI・RAGSaaS・クラウド
DX用語を機能で3グループに分けた概念図(本記事の整理方針)

用語辞典:つなぐ系・つくる系

システムや業務を連携・構築するための用語です。中堅企業のDXでは、既存システムを活かしながら新しい仕組みをつなぐ場面が多く、この2グループの理解が投資効率を左右します。

用語読み・意味経営にとっての要点
API連携システム間で機能・データをやり取りする仕組みシステムを「つなぐ」基本。乱立したSaaSの連携可否を左右
iPaaS複数SaaSをつなぐデータ連携基盤個別のAPI開発を減らし、連携を仕組み化する選択肢
ノーコードプログラミング不要で業務システムを作る手法現場部門による内製化・外注費の抑制に寄与
ローコード最小限のコードで開発を効率化する手法ノーコードより自由度が高く、複雑な要件に対応しやすい
RPA定型的なPC操作を自動化するソフトウェア標準化された業務の自動化に向く。属人化解消の前提が必要

「つくる系」を検討する際は、現場が自走できる体制づくりがコストを左右します。乱立したシステムを束ねる発想はiPaaSとは(乱立するSaaSをつなぐデータ連携基盤の基礎解説)で詳しく整理しています。

用語辞典:使う系・データ系

蓄積したデータやAIを意思決定に活かすための用語です。2026年は、これらを「過去を見る道具」から「次の打ち手を考える道具」へ広げる動きが強まっています。

用語読み・意味経営にとっての要点
SaaSクラウド経由で使うソフトウェア提供形態初期投資を抑え、必要な機能を月額で利用できる
BIデータを可視化・分析し意思決定を支援する仕組み勘頼みからデータに基づく判断へ移行する土台
RAG社内文書を参照させてAIに回答させる仕組み汎用AIを自社知識で活用する際の安全設計の鍵
データガバナンスデータの定義・品質・権限を統制する考え方部門ごとの定義のばらつきを正し、分析を信頼できるものに
電子帳簿保存法帳簿・書類の電子保存の要件を定めた法律会計・経理のDXで対応が前提となる制度

用語学習の優先順位:すべてを一度に覚える必要はありません。自社が今直面している課題に近い用語から押さえるのが効率的です。たとえば「システムが分断している」なら つなぐ系、「外注費が重い」なら つくる系、「判断が勘頼み」なら 使う系から始めます。社内文書を安全にAIで使う構想があるならRAGとは何か(社内文書を生成AIで安全に使う仕組み)を先に読むと、ベンダー提案の評価軸が定まります。

用語を投資判断につなげる視点

用語の意味を知ること自体が目的ではありません。重要なのは、ベンダーや社内から出てくる提案を、自社の課題に照らして評価できる状態になることです。たとえば「ノーコードで内製化」という提案を受けたとき、現場に運用を担える人材がいるか、複雑な要件に将来対応できるか、といった問いを立てられれば、用語理解は経営判断の武器になります。同じく「AIで自動化」という提案には、入力するデータの品質は十分か、誤った出力が出た場合に誰が確認するか、という問いを返せます。

用語を正しく理解していると、提案の妥当性だけでなく、見積もりの妥当性も判断しやすくなります。たとえば、API連携が標準機能で対応できるのか、個別開発が必要なのかで費用は大きく変わります。言葉の中身を押さえているだけで、過剰な投資や不要なカスタマイズを避けやすくなります

また、用語は流行とともに増えていきます。新しい言葉が出てきたら「つなぐ・つくる・使う」のどれに当たるか、そして「どんな業務課題を解決するための言葉か」を問い直すと、本質を見失わずに済みます。ベンダーが横文字を多用してきたときも、この問いを返すだけで、提案が自社の課題に沿っているかを見極められます。用語に振り回されるのではなく、用語を使って提案の中身を確かめる側に立つことが大切です。バックオフィス全体の効率化を構想しているなら、バックオフィスDXの進め方(経理・人事・総務の業務を段階的に効率化)もあわせてご覧ください。

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自社の課題別・あなたが先に押さえるべき用語グループ(モデルケース)

同じ「DX用語の学習」でも、自社が今直面している課題によって、先に押さえるべき用語グループは変わります。自社に近いタイプを起点に、当てはめてみてください。

DX・IT導入

タイプ別 おすすめ早見表

自分に近いタイプから、向いているサービスと理由を確認。詳しくは下のケース別解説で(料金・条件は各社の公式情報で要確認)。

こういう人・ケースおすすめ特徴・選ぶ理由
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タイプA:システムが分断し、二重入力や連携不足に悩んでいる(例:会計と販売管理が別々で手入力が多い)

先に押さえたいのはつなぐ系(API連携・iPaaS)です。システム同士をつなぐ言葉を理解すると、乱立したSaaSの連携可否や個別開発の要否を見極められます。見積もりで費用が大きく変わる論点なので、提案の妥当性判断の軸になります。

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タイプB:外注費が重く、現場部門で内製化を進めたい(例:小さな業務システムを都度外注している)

先に押さえたいのはつくる系(ノーコード・ローコード)です。プログラミングなしで業務システムを作る手法を理解すると、内製化で外注費を抑える余地が見えます。ただし現場が自走できる体制があるかが効果を左右するため、運用の担い手もあわせて検討してください。

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タイプC:判断が勘頼みで、データを意思決定に活かせていない(例:会議で数字より経験で決めている)

先に押さえたいのは使う系(BI・データガバナンス)です。データを可視化・分析する言葉と、定義や品質を統制する考え方を理解すると、勘頼みからデータに基づく判断へ移れます。部門ごとの定義のばらつきを正すことが、分析を信頼できるものにする前提です。

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タイプD:社内文書を安全にAIで活用する構想がある(例:問い合わせ対応にAIを使いたい)

先に押さえたいのは使う系のうちRAGと権限設計です。社内文書を参照させてAIに回答させる仕組みは、情報漏えいを防ぐ安全設計が鍵になります。ベンダー提案の評価軸を定めるためにも、仕組みの基礎を先に理解しておくと判断がぶれません。

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複数のタイプに当てはまる場合は、課題ごとに用語グループを使い分けて押さえるのが現実的です。いずれの場合も、すべてを暗記するのではなく、新しい言葉が出たら「つなぐ・つくる・使う」のどれに当たり、どんな業務課題を解決するための言葉かを問い直す姿勢が共通の要点です。

まとめ:用語は経営判断の共通言語

DX用語は、技術者だけのものではなく、経営と現場とベンダーをつなぐ共通言語です。本記事の3グループ整理と用語表を、会議や提案評価の前後で参照すれば、言葉の曖昧さに足を取られることなく議論を進められます。すべてを暗記するのではなく、自社の課題に近い用語から押さえ、必要に応じて参照する使い方をおすすめします。

よくある質問

DX用語はどう整理して覚えればよいですか。

「つなぐ系(API・iPaaS・連携)」「つくる系(ノーコード・ローコード)」「使う系(BI・RAG・SaaS)」の3グループで捉えると見通しが良くなります。経営者は全用語を技術的に理解する必要はなく、各用語がどんな業務課題を解決するための言葉かを押さえれば十分です。

どの用語から押さえるのが効率的ですか。

自社が今直面している課題に近い用語からです。「システムが分断している」ならつなぐ系、「外注費が重い」ならつくる系、「判断が勘頼み」なら使う系から始めると、ベンダー提案の評価軸が早く定まります。

用語を理解すると経営にどう役立ちますか。

ベンダーや社内からの提案を自社の課題に照らして評価でき、見積もりの妥当性も判断しやすくなります。たとえばAPI連携が標準機能で対応できるのか個別開発が必要なのかで費用は大きく変わるため、用語の中身を押さえているだけで過剰な投資や不要なカスタマイズを避けやすくなります。

次に読む

押さえるべき用語グループが見えたら、各テーマの基礎や進め方もあわせて確認すると効果的です。目的に近いものから読み進めてみてください。

本記事は情報提供を目的とした一般的な用語解説であり、特定のツール導入を推奨するものではありません。用語の定義は提供事業者や文脈によって細部が異なる場合があります。電子帳簿保存法など制度に関わる用語は改正により要件が変わることがあるため、実務対応の際は公式情報および税理士等の専門家にご確認ください。各ツールの仕様・料金・利用条件は変動するため、導入検討時には各社の最新の公式情報をご確認ください。

本記事は2026年7月時点の情報に基づいています。本記事は biz-trend編集部(株式会社弥)が編集しています。制度・料金・金融関連の数値は変動する可能性があるため、実行判断の前に一次ソースをご確認ください。編集方針・広告開示ポリシーはプライバシーポリシーをご参照ください。

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