資金調達 SPECIAL REPORT — Vol.823

でんさい(電子記録債権)とは|手形に代わる決済手段の基礎を解説

【PR】本記事は広告(アフィリエイト)を含みます。料金・仕様は目安で変動します。最新情報は各公式でご確認ください。 取引先から「今後は手形ではなく、でんさいでお願いしたい」と言われ、対応を迫られた——中堅企業の経理・財務 […]

編集部 / biz-trend編集部(株式会社弥)
| 2026.06.27 公開 | 更新:2026.07.27 | 読了 10分
でんさい(電子記録債権)とは|手形に代わる決済手段の基礎を解説
Photo by BizTrend 編集部 / 2026.06.27

【PR】本記事は広告(アフィリエイト)を含みます。料金・仕様は目安で変動します。最新情報は各公式でご確認ください。

取引先から「今後は手形ではなく、でんさいでお願いしたい」と言われ、対応を迫られた——中堅企業の経理・財務でこうした場面が増えています。背景には、約束手形の利用を段階的に縮小し、電子的な決済手段へ移行する政府・産業界の方針があります。2026年度末をめどに紙の手形からの移行が推進されており(2026年時点・要確認)、でんさい(電子記録債権)はその受け皿として位置づけられています。CFO・経営者にとっては、決済インフラの切り替えと、それに伴う資金繰り・会計処理の見直しという経営テーマです。

資金調達
ファクタリングの仕組み事業者(利用企業)売掛金を保有ファクタリング会社債権を買取最短即日で入金手元資金を確保
図:ファクタリングの基本的な流れ(手数料・入金スピードは各社・契約により異なります)。

本記事は、でんさいの基礎を、特定のサービスを推すことなく中立に解説します。手形との違い、利用の流れ、メリットと留意点を整理し、自社の決済手段をどう設計するかを考える材料にしてください。

結論:でんさい(電子記録債権)は紙の手形の機能を電子化した決済手段で、現物管理・裏書・印紙の負担を軽減し、必要額だけの分割譲渡もできます。融資ではなく決済・債権授受の仕組みで、ファクタリング(債権の売却による資金化)とは目的も仕組みも異なります

でんさいとは——電子記録債権の基礎

結論:でんさいは、でんさいネット(全銀電子債権ネットワーク)が記録原簿に電子的に記録することで成立する金銭債権です。手形のように現物を作成・郵送・保管する必要がなく、発生も譲渡も電子データで完結します。

でんさいは、株式会社全銀電子債権ネットワーク(通称「でんさいネット」)が取り扱う電子記録債権です。でんさいネットは全国銀行協会が設立した電子債権記録機関で、債権の発生・譲渡・支払といった権利の内容を、記録機関の「記録原簿」に電子的に記録することで成立させる仕組みになっています。紙の手形のように現物を作成・郵送・保管する必要がなく、発生も譲渡も電子データのやり取りで完結します。売掛債権(指名債権)が抱えていた譲渡手続きの煩雑さや、二重譲渡のリスクといった問題点を、電子化によって整理した金銭債権だと理解するとよいでしょう。

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手形・売掛金との違い——3つの決済手段を比較

でんさいの位置づけを理解するには、紙の手形・売掛金との違いを並べて見るのが早道です。下表は代表的な観点での比較で、コストや日数は取引金融機関・契約条件により変動します(2026年時点・要確認)。

資金化までのスピード目安ファクタリング最短即日〜数日ビジネスローン数日〜2週間ほど銀行融資(新規)数週間〜
図:資金化までのスピードの目安(一般的な傾向。実際の所要日数は各社・審査・書類状況により異なります)。
観点 紙の約束手形 でんさい(電子記録債権) 売掛金
形態 紙の現物 記録原簿への電子記録 帳簿上の債権
譲渡 裏書による(現物の交付) 譲渡記録請求で電子的に 債権譲渡手続きが必要
分割 原則できない 必要額だけ分割譲渡が可能 取決め次第
紛失・盗難 リスクあり 記録機関で管理(現物なし) 該当しにくい
印紙税 課税対象 対象外(目安・要確認) 対象外

表からわかるのは、でんさいが手形の機能(支払期日まで待つ・他者へ譲渡する・期日前に資金化する)を引き継ぎつつ、現物管理・裏書・印紙といった紙特有の手間とコストを軽減している点です。とくに「必要な金額だけ分割して譲渡できる」点は、手形にはない柔軟性で、資金繰りの設計自由度を高めます。

でんさいの利用の流れ

結論:債権を受け取った企業は「期日まで保有して資金を受け取る」「仕入先などへ譲渡して支払いに充てる」「期日前に割引で資金化する」の3つから選べます。一連の手続きが電子的に完結するため、現物のやり取りに伴う手間を抑えられます。

でんさいを使うには、まず取引金融機関を通じてでんさいネットの利用契約を結びます。支払企業(債務者)が、取引金融機関経由で「発生記録請求」を行うと、記録原簿に記録され債権が発生します。受け取った企業(債権者)は、その債権を支払期日まで保有して資金を受け取るか、仕入先などへ「譲渡記録請求」によって支払いに充てるか、あるいは期日前に金融機関の割引(でんさい割引)で資金化するか、といった選択ができます。支払期日には、債務者の口座から債権者の口座へ自動的に決済される仕組みが用意されています。一連の手続きが電子的に完結するため、現物のやり取りに伴う郵送日数や保管の手間を抑えられるのが特徴です。下の図は、債権を受け取った後に選べる3つの選択肢を示したものです。

でんさい受領後の3つの選択肢 でんさいを受け取る 期日まで保有 資金を受け取る 譲渡して支払い 仕入先などへ充当 期日前に資金化 割引(金利相当の負担)

メリットと留意点——導入前に直視すべきこと

でんさいの利点は、現物管理からの解放、分割譲渡の柔軟性、印紙税負担の軽減、紛失・盗難リスクの低減などにあります。一方で、導入には留意点もあります。中立に直視しておきましょう。

取引状況別・あなたに合うでんさいの使い方(モデルケース)

同じ「でんさいを受け取る」場面でも、自社の資金状況や取引構造によって選ぶべき選択肢は変わります。近い状況を起点に、自社の決済設計へ当てはめてみてください。

資金調達

タイプ別 おすすめ早見表

自分に近いタイプから、向いているサービスと理由を確認。詳しくは下のケース別解説で(料金・条件は各社の公式情報で要確認)。

こういう人・ケースおすすめ特徴・選ぶ理由
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タイプA:取引先から「でんさいで」と要請され、まず対応を迫られている(例:主要取引先が手形を廃止)

おすすめは取引金融機関でのでんさいネット利用契約と相手の対応状況の確認です。相手も同じくでんさいネットを利用できる状態でなければ授受は成立しません。会計ソフトの対応状況と仕訳方法を顧問税理士に確認しておくと、導入後の混乱を避けられます。

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タイプB:資金繰りに余裕があり、支払期日まで待てる(例:手元現金が潤沢な月)

おすすめは期日まで保有して資金を受け取る選択です。余計な手数料や割引負担を避けられます。支払期日には債務者の口座から自動的に決済されるため、現物管理の手間もかかりません。

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タイプC:受け取ったでんさいを仕入先への支払いに回したい(例:仕入と販売のサイトが近い)

おすすめは必要額だけの分割譲渡(譲渡記録請求)です。手形と違い必要な金額だけ分けて譲渡でき、複数の支払いに柔軟に充てられます。仕入先もでんさいネットを利用できることが前提になる点は確認してください。

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タイプD:期日前にどうしても現金が必要(例:急な支払いで一時的に資金が逼迫)

おすすめは金融機関の割引(でんさい割引)による期日前の資金化です。ただし金利相当の負担を伴うため、必要性とコストを見極めることが大切です。恒常的な資金不足であれば、ファクタリングや融資など他の手段との比較も検討してください。

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複数のタイプに当てはまる場合は、案件ごとに選択肢を使い分けるのが現実的です。いずれの場合も、でんさいは融資ではなく決済・債権授受の仕組みである点を踏まえ、自社の取引構造に合う形を選んでください。

編集独立性——電子決済とファクタリングは別物

本記事は広告を含みますが、でんさいは数ある決済・資金調達手段の一つにすぎません。混同されやすいのがファクタリングとの違いです。ファクタリングは売掛債権を専門業者へ譲渡して資金化する手段で、でんさい(支払・決済のためのインフラ)とは目的も仕組みも異なります。両者の違いはファクタリングの仕組みを基礎から解説(融資との違いと債権譲渡の基本)もあわせて読むと整理しやすくなります。資金調達という観点では、銀行融資、当座貸越、手形割引、ファクタリング、リースなど複数の選択肢があり、それぞれコスト・スピード・財務への影響が違います。決済インフラとしては、でんさいのほかにインターネットバンキングによる振込や、各社が提供する電子決済サービスもあります。提携の有無を問わず、自社の取引構造・資金需要に合うかを中立に比較してください。とくに資金調達手段の選択は、財務状況により最適解が変わるため、顧問税理士や金融機関に相談しながら設計することをおすすめします。

まとめ

でんさい(電子記録債権)は、紙の手形の機能を電子化し、現物管理・裏書・印紙といった負担を軽減した決済手段です。約束手形からの移行が進む流れの中で、取引先からの要請を受けて導入を検討する中堅企業が増えています。導入にあたっては、取引先の対応状況、手数料、支払不能時の信用影響、会計・税務処理を確認し、ファクタリングや融資といった他の手段との違いを理解したうえで、自社に合う形を選ぶことが要です。会計・仕訳の論点はファクタリングの会計処理と仕訳もあわせて確認しておくとよいでしょう。

よくある質問

Q. でんさいと手形の一番の違いは何ですか。

A. でんさいは紙の手形の機能(支払期日まで待つ・他者へ譲渡する・期日前に資金化する)を電子化したもので、現物の作成・郵送・保管が不要です。さらに、必要な金額だけ分割して譲渡できる点は手形にはない柔軟性で、資金繰りの設計自由度を高めます。

Q. でんさいとファクタリングはどう違いますか。

A. でんさいは支払・決済のためのインフラ(債権の授受)で、ファクタリングは売掛債権を専門業者へ譲渡して資金化する手段です。目的も仕組みも異なり、でんさいは融資ではありません。資金調達の観点では銀行融資・手形割引・ファクタリングなど複数の選択肢を中立に比較するのが現実的です。

Q. 導入前に確認しておくことは何ですか。

A. 取引先がでんさいネットを利用できる状態か、発生・譲渡・割引の手数料水準、支払不能時の信用への影響、会計・税務処理の仕訳方法が主な確認点です。仕訳は売掛金・受取手形と異なる場面があるため、自社の会計ソフトの対応状況とあわせて顧問税理士に確認することをおすすめします。

次に読む

でんさいの位置づけが整理できたら、混同されやすいファクタリングや資金調達全体もあわせて確認すると効果的です。目的に近いものから読み進めてみてください。

【免責】本記事の数値・手数料・制度は2026年時点の一般的な情報であり、変動するため最新情報を各公式・取引金融機関でご確認ください。ファクタリングや電子記録債権は資金調達・決済の手段であり、それぞれリスクや費用を伴います。でんさい(電子記録債権)は融資ではなく、決済・債権授受のための仕組みです。資金調達手段(リース・ローン・債権譲渡等)の選択は自社の財務状況に応じて判断が必要であり、具体的な導入・会計税務処理は顧問税理士や金融機関などの専門家にご相談ください。

本記事は2026年7月時点の情報に基づいています。本記事は biz-trend編集部(株式会社弥)が編集しています。制度・料金・金融関連の数値は変動する可能性があるため、実行判断の前に一次ソースをご確認ください。編集方針・広告開示ポリシーはプライバシーポリシーをご参照ください。

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