EC・D2C SPECIAL REPORT — Vol.160

EC 構築 SaaS 4 社徹底比較 2026|経営者視点で選ぶ

EC 構築 SaaS の Shopify・BASE・STORES・EC-CUBE を月商規模・越境・カスタマイズ要件の 3 軸で比較。経営者視点で選定軸を整理。

編集部 / biz-trend.works
| 2026.05.16 公開 | 読了 7分
EC 構築 SaaS 4 社徹底比較 2026|経営者視点で選ぶ
Photo by BizTrend 編集部 / 2026.05.16

EC 事業者にとって、月額数千円〜数万円のプラットフォーム費用と決済手数料 2.9〜3.6% は、月商 1,000 万円規模で年間 400 万円超の固定コストになる。プラットフォーム選定を間違えると、ここに移行コストと機会損失が上乗せされる。

2026 年 3 月 24 日、STORES がベーシックプランの新規受付を終了し、スタンダードプランへ一本化する方針を発表した(出典:STORES 公式 https://stores.fun/pricing)。これで国内 EC SaaS の料金体系・選定の前提が大きく変わった。

本稿では、月商規模・販売地域・カスタマイズ要件の 3 軸で、Shopify・BASE・STORES・EC-CUBE 4 社の使い分けを整理。読み終える 4 分で、自社で選ぶべき EC 構築 SaaS が決まる。

EC 構築 SaaS 主要 3 社の決済手数料(2026 年 5 月時点)

3.55%
Shopify Payments(JCB 等)

出典:Shopify 公式料金ページ 2026/05 https://www.shopify.com/pricing

2.9%
BASE グロースプラン決済手数料

出典:BASE ヘルプセンター 2026/05 https://help.thebase.in/hc/ja/articles/5701824979353

2026/3/24
STORES ベーシック新規受付終了日

出典:STORES 公式料金ページ 2026/05 https://stores.fun/pricing

スペック・料金・特徴を一目で比較

EC 構築 SaaS は「クラウド型 SaaS(Shopify・BASE・STORES)」と「オープンソース型(EC-CUBE)」で性質が大きく異なる。経営判断の出発点として、料金体系と適合層を一度俯瞰する。

項目ShopifyBASESTORESEC-CUBE
料金月額 25 ドル〜月額 0 円 / グロース 5,980 円スタンダードに一本化無償(自社サーバ要)
決済3.55%(JCB 等)グロース 2.9%プラン依存外部決済選択
越境多通貨・多言語標準国内特化国内特化カスタム実装
対象越境・中規模以上個人〜小規模実店舗併設独自要件・大規模
出典:各社公式サイト 2026 年 5 月時点(Shopify / BASE / STORES)

Shopify は越境 EC で多通貨・多言語が標準装備、BASE は国内個人事業主の初期コストゼロ、STORES は実店舗 POS との一体運用、EC-CUBE は独自要件のカスタマイズに強い。コスト最小化だけで選ぶと、後の機能制約で乗換が発生しやすい。

[point title=”経営者の判断軸”]
月商 100 万円超で越境視野なら Shopify。月商 30 万円以下の国内特化なら BASE。実店舗併設なら STORES。完全独自実装は EC-CUBE。年間 GMV を 4 で割り月商換算してから当てはめる。
[/point]

Shopify を選ぶべき経営者像

Shopify は決済手数料 3.55%(JCB 等、出典:Shopify 公式料金 2026/05 https://www.shopify.com/pricing)と国内 SaaS より高めだが、多通貨・多言語が標準装備で越境 EC を志向する D2C ブランドに最適。アプリストアで会計連携・在庫管理・サブスク販売など機能拡張も柔軟。

経営者として判断軸を整理すると、(1)海外売上比率を 1 年以内に 10% 以上に伸ばしたい、(2)Instagram・TikTok 等 SNS 連携の販売チャネル拡張を重視、(3)アプリ拡張で業務基盤を組み上げたい、の 3 条件のうち 2 つ以上該当するなら Shopify が筆頭候補になる。

[chat face=”run” name=”EC 経営者”]
うちは国内売上 9 割だけど、将来の越境を見据えて Shopify にするのはアリ?
[/chat]

BASE / STORES を選ぶべき経営者像

BASE グロースプランの決済手数料 2.9%(出典:BASE ヘルプセンター 2026/05 https://help.thebase.in/hc/ja/articles/5701824979353)は国内 SaaS で最安水準。月商 30〜300 万円の国内特化ブランドにとっては Shopify より年間数十万円の手数料圧縮効果がある。立ち上げ期の個人事業主はスタンダードプラン(月額 0 円)から始めて GMV 拡大に応じて切替えるのが定石。

STORES は 2026 年 3 月 24 日にベーシックプランの新規受付を終了し、スタンダードプランへ一本化する方針を発表した(出典:STORES 公式料金ページ 2026/05 https://stores.fun/pricing)。これにより新規申込のプラン選定が単純化された一方、過去のベーシック想定で試算していた経営者は再見積もりが必要になる。STORES POS との実店舗併設運用が真価を発揮する点は変わらない。

EC-CUBE と公開情報からの利用実態の分析

EC-CUBE は国産オープンソース EC パッケージ。SaaS と異なり月額利用料は無償で、サーバ・保守・カスタマイズコストが別途発生する設計。BtoB EC、独自ワークフロー、基幹システム連携など、SaaS の標準機能では収まらない要件向け。月商 1 億円以上の中堅 EC 事業者で採用例が多い。

各社公式情報(2026 年 5 月時点)を整理すると、Shopify は越境 EC SaaS のグローバル定番として日本国内でも導入加速、BASE は国内ロングテール EC の最大手、STORES は実店舗併設型 EC の標準解、EC-CUBE は独自要件 EC の事実上のデファクトという棲み分けが明確化している。「自社の月商規模 × 越境有無 × カスタマイズ深度」の 3 軸で選ぶのが経営判断としては合理的。

経営判断としての結論:自社はどれを選ぶべきか

EC 構築 SaaS 選定の決定木

  • 越境 EC を視野? Yes → Shopify
  • No → 月商 30 万円以下? Yes → BASE スタンダード
  • No → 実店舗併設? Yes → STORES
  • No → 独自カスタム要件あり? Yes → EC-CUBE / No → BASE グロース or Shopify

3 軸(越境・規模・カスタム要件)で順に判定。年商 1 億円超でカスタム要件が強い場合は EC-CUBE と Shopify Plus の比較検討に進む。

具体的なアクションとしては、現在月商と 1 年後の目標月商を Excel で 12 ヶ月分書き出し、各プラットフォームの月額 + 決済手数料の合計コストを比較。差分が年間 50 万円以上開く場合は乗換コスト(商品データ移行・SEO 評価リセット・既存顧客通知)を加味しても切替えるのが合理的だ。

EC 事業者の経費管理:プラットフォーム選定とセットで設計すべき決済の罠

EC 構築 SaaS のどれを選んでも、月額 5,000〜30,000 円の固定費 + 売上比 2.9〜3.6% の決済手数料が発生する。これに加えて、広告費(Meta/Google)・物流費・サブスク SaaS 費(在庫管理・CRM・メール配信)が積み上がるため、月商 500 万円規模で月 30〜50 件超のクレジットカード決済が発生する経営構造になる(各社公式料金 2026 年 5 月時点に基づく試算)。

具体的には、海外 SaaS 決済(Shopify 月額・各種アプリ)に強い法人カードを経費精算 SaaS と一体運用する設計が定石。さらに、決済手数料の入金サイクル(EC SaaS 各社で 15〜30 日)と支払サイクル(広告費・仕入)のズレをクラウド会計でリアルタイムに把握できる体制が、月商拡大期の資金繰りを左右する。

EC 構築 SaaS は「越境 → Shopify」「国内小規模 → BASE」「実店舗併設 → STORES」「独自要件 → EC-CUBE」の 4 象限で選ぶのが経営判断としては合理的。決済手数料 2.9〜3.6% を年商換算で試算し、会計・経費精算・法人カードと一体で設計することで、隠れたコストを圧縮できる。次の一歩として、自社の 12 ヶ月分の損益シミュレーションから着手したい。

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