SaaS比較 SPECIAL REPORT — Vol.154

ノーコードSaaS 4社比較2026|経営者視点の選び方

ノーコードSaaS比較2026。Bubble・Glide・Adalo・Power Appsを料金・編集者課金・統合性で経営者視点で整理。

編集部 / biz-trend.works
| 2026.05.16 公開 | 読了 8分
ノーコードSaaS 4社比較2026|経営者視点の選び方
Photo by BizTrend 編集部 / 2026.05.16

月額3万円超のSaaSを5本契約すると、年間180万円が固定費に乗る。中堅企業の情報システム部門にとって、業務アプリの内製化は「外注費を抑える」だけでなく、属人化したExcelマクロからの脱却という経営課題でもある。

2026年に入り、Microsoft Power Apps の Per App プランが1月2日付で新規販売終了(出典:Microsoft Power Apps 公式 pricing、https://www.microsoft.com/en-us/power-platform/products/power-apps/pricing)。ノーコードSaaSの料金体系は、ユーザー課金から編集者課金へと急速に再編されている。

本稿では Bubble・Glide・Adalo・Power Apps の4社を、年商規模・内製レベル別に整理。読み終える3分で、自社で着手すべきノーコードSaaSの判断軸が定まる。

ノーコードSaaSの料金レンジ(2026年5月時点)

$29/月
Bubble Starter(年払)
$36/月
Adalo Starter
$20/user
Power Apps Premium

出典:各社公式pricing(Bubble / Adalo / Microsoft、2026年5月時点)

スペック・料金・特徴を一目で比較

4社の料金・適合層を整理する。比較の鍵は「編集者課金型(Bubble・Adalo)」か「利用者課金型(Power Apps)」か、そして「ネイティブアプリ生成可否」の2軸である。

項目BubbleAdaloPower Apps
料金$29/月〜(年払)$36/月〜$20/user/月
上位Team $549/月
(編集5名)
Team $250/月
(編集10名)
2000+で
$12/user
課金編集者数編集者数利用者数
得意Web業務
アプリ
ネイティブ
モバイル
社内
業務SaaS連携
適合スタートアップ
受託開発
現場向け
モバイル業務
Microsoft 365
導入企業
出典:Bubble公式(https://bubble.io/pricing)、Adalo公式(https://www.adalo.com/pricing)、Microsoft公式(https://www.microsoft.com/en-us/power-platform/products/power-apps/pricing)、いずれも2026年5月時点。

Power Apps は2026年1月2日付で Per App プランの新規販売が終了し、Premium($20/user/月、2000ユーザー以上で$12)への一本化が進んだ(出典:Microsoft公式、https://www.microsoft.com/en-us/power-platform/products/power-apps/pricing)。利用者100名規模なら年間240万円の固定費となり、編集者課金型のBubble Team($549/月=年約78万円)とは桁が異なる。

[chat face=”run” name=”経営者”]
社員50名規模で内製アプリを動かしたいが、Power Apps だと年間100万円超になる…ノーコードに踏み切る判断軸は?
[/chat]

Bubble・Adaloを選ぶべき経営者像

編集者課金型のBubble・Adaloは、「少数の内製担当者が、全社員が使うアプリを作る」モデルに向く。Bubble Starterは$29/月(年払、出典:https://bubble.io/pricing)で1人開発に最適。Team $549/月で編集者5名まで拡張でき、受託開発を兼ねるスタートアップにも合う。

Adalo は Starter $36/月、Team $250/月で編集者10名まで(出典:https://www.adalo.com/pricing、2026年5月時点)。ネイティブモバイルアプリの App Store / Google Play 配信ができるため、現場スタッフが日常的にスマホで使う在庫管理・点検報告系の業務に強い。

[point title=”編集者課金型の経営判断軸”]
利用者数 ÷ 編集者数 が10倍を超えるなら編集者課金型が有利。
逆に編集者=利用者に近い少人数業務はPower Apps型も検討余地あり。
[/point]

Bubble・Adalo の賛否対比

強み

  • 編集者課金で利用者数に依存しない
  • Web/モバイル両対応の柔軟さ
  • 外部APIとの接続自由度が高い

弱み

  • UI が英語中心で日本語ドキュメント少
  • セキュリティ要件は自己責任
  • Microsoft 365との統合は限定的

出典:各社公式情報を基に編集部整理(2026年5月時点)

Glide・Power Appsを選ぶべき経営者像

Glide は Google Sheets / Excel を裏側DBとして使えるノーコードSaaSで、すでに表計算で業務を回している企業の「Excel卒業」の足掛かりに向く。情報システム専任が置けない年商10億円未満の企業で、現場リーダーが自力で立ち上げられるレベルの低学習コストが特徴である。

Power Apps は Microsoft 365 をすでに全社導入している中堅企業向けの本命だ。Premium プランは $20/user/月、2000ユーザー以上の大規模契約で $12/user/月まで下がる(出典:Microsoft公式、https://www.microsoft.com/en-us/power-platform/products/power-apps/pricing、2026年5月時点)。Teams・SharePoint・Dynamics 365 との統合が前提なら、別ベンダーを選ぶよりTCOで有利になりやすい。

Glide・Power Apps の賛否対比

強み

  • 既存スプレッドシート資産を活かせる(Glide)
  • Microsoft 365 統合が強固(Power Apps)
  • 大規模利用ほど単価が下がる(Power Apps $12/user)

弱み

  • 利用者数に比例して固定費が増える
  • Excelロジック前提だと複雑業務で限界
  • Per App プラン終了で小規模利用が割高化

出典:各社公式情報を基に編集部整理(2026年5月時点)

公開レビュー・利用実態の分析

編集者課金型と利用者課金型のいずれを選ぶかは、利用者数で結論が出やすい。Bubble Team は編集者5名で $549/月、年換算で約78万円(出典:Bubble公式、https://bubble.io/pricing、2026年5月時点)。社員200名にアプリを配布しても料金は変わらない。一方 Power Apps Premium は200名規模で月$4,000(年約576万円、出典:Microsoft公式)。Microsoft 365との統合価値を上乗せしてもなお、規模が大きいほど編集者課金型が有利になる。

Adalo は Team $250/月で編集者10名まで(出典:Adalo公式、https://www.adalo.com/pricing、2026年5月時点)、ネイティブアプリ配信ができる点が強み。現場スタッフが日常的に持ち歩く点検・報告・在庫アプリで、Web フォームでは離脱が大きい業務に適合する想定だ。

経営者として注意したいのは、ノーコード導入の真のコストは「ライセンス費」ではなく「内製担当者の人件費+運用設計」である点。月数千円〜数万円の差より、誰が運用・保守を担うかの体制設計が、3年TCOを左右する。

経営判断としての結論

ノーコードSaaS 経営判断ツリー

Microsoft 365 全社導入済?
利用者100名超?
Yes → Power Apps Premium
No → Bubbleと比較検討
モバイル業務が中心?
Yes → Adalo
No → Bubble or Glide

分岐は編集部整理(2026年5月時点・各社公式情報による)

経営者の判断軸は3点に集約される。第一に、Microsoft 365への依存度。第二に、利用者数 ÷ 編集者数の倍率。第三に、内製担当者を社内で育成するか外部委託するか。この3点を1時間で書き出せば、4社のうちどれが残るかは自ずと絞られる。

ノーコード導入時のバックオフィス設計:見落とされがちな「経費の罠」

ノーコードSaaSは月額20〜30ドルの海外サブスク決済が前提となり、編集者を増やすたびに為替手数料が乗る。50名規模で月5万円の海外サブスクを契約すると、為替手数料2-3%だけで年間18万円(各社公式料金 2026年5月時点に基づく試算)。決済の一元管理と為替手数料の最小化は、ノーコード導入の隠れた経営課題だ。

具体的には、海外SaaS決済に強い法人カード(三井住友ビジネスオーナーズゴールド、UPSIDER等)を、クラウド会計(freee 会計・マネーフォワードクラウド会計)および経費精算SaaS(マネーフォワードクラウド経費、楽楽精算、バクラク)と一体運用する設計が定石である。経営者として、ノーコードSaaSの選定とバックオフィス設計はワンセットで考えたい。

Bubble・Adalo は編集者課金で規模が拡大しても固定費が増えにくい構造、Power Apps は Microsoft 365 統合の代わりに利用者課金、Glide は既存スプレッドシート資産を活かせる立ち上がりの軽さに強みがある。経営者として最初に決めるべきは「自社の利用者数と編集者数の倍率」と「Microsoft 365への依存度」の2点である。

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