サステナビリティ・ESG SPECIAL REPORT — Vol.1959

サステナの用語を経営者向けに解説|カーボンニュートラルを整理

【PR】本記事はアフィリエイトプログラムを利用しています。制度・定義・基準は変動するため、実務での運用前に最新の公式情報や専門家にご確認ください。 サステナビリティをめぐる議論には、カーボンニュートラル、スコープ、SBT […]

編集部 / biz-trend編集部(株式会社弥)
| 2026.06.29 公開 | 更新:2026.07.27 | 読了 8分
サステナの用語を経営者向けに解説|カーボンニュートラルを整理
Photo by BizTrend 編集部 / 2026.06.29

【PR】本記事はアフィリエイトプログラムを利用しています。制度・定義・基準は変動するため、実務での運用前に最新の公式情報や専門家にご確認ください。

サステナビリティをめぐる議論には、カーボンニュートラル、スコープ、SBT、CSRDといった専門用語が次々と登場します。取引先や投資家との会話、開示資料の作成、社内の方針づくりの場面で、これらの用語の意味があいまいなままだと、判断を誤ったり、議論がかみ合わなかったりします。本記事では、中堅企業の経営者・経営企画が押さえておきたいサステナビリティ関連の重要用語を、実務での使われ方とあわせて整理します。用語の輪郭をつかむことが、自社の取り組みを設計する土台になります

結論:サステナビリティ用語は「目標・指標を表す言葉(カーボンニュートラル、SBTなど)」「排出を測る言葉(スコープ1・2・3など)」「開示・規制を表す言葉(CSRD、CSDDDなど)」の3系統で整理すると理解しやすくなります。中堅企業がまず押さえるべきは、自社の排出を測るスコープの概念と、取引先・投資家とのやり取りで頻出する目標系の用語です。用語の定義は制度改定で変わることがあるため、公的機関の最新の説明を確認する習慣が大切です。

サステナビリティ用語を3系統で整理する

用語の数は多いものの、役割で分類すると見通しがよくなります。第一は「目標・指標」を表す言葉で、企業が何を目指すかを示します。第二は「排出を測る」言葉で、取り組みの現状を数字で把握するための概念です。第三は「開示・規制」を表す言葉で、外部への説明や法令対応に関わります。下表で代表的な用語を整理します。

系統用語意味の要点
目標・指標カーボンニュートラル温室効果ガスの排出と吸収を均衡させ実質ゼロにする状態
目標・指標ネットゼロ排出を可能な限り削減し残りを除去で相殺する考え方
目標・指標SBT科学的根拠に基づく削減目標。第三者が妥当性を確認する枠組み
排出を測るスコープ1・2・3直接排出・購入電力・サプライチェーン全体の排出区分
排出を測るGHGプロトコル排出量算定の国際的な基準
開示・規制CSRDEUのサステナビリティ情報の開示に関する指令
開示・規制CSDDDEUの人権・環境デューディリジェンスに関する指令

カーボンニュートラルとネットゼロは似た言葉ですが、ネットゼロは削減を最大限進めたうえで残りを除去で相殺するという、より厳格な考え方として使われることが多い用語です。文脈によって使い分けられるため、相手がどの意味で用いているかを確認すると誤解を防げます。排出区分の詳しい考え方はGXと中堅企業の動向もあわせてご覧ください。

排出を測る用語:スコープの理解が出発点

中堅企業がまず押さえたいのが、スコープ1・2・3です。スコープ1は自社が燃料を燃やすことによる直接排出、スコープ2は購入した電気や熱の使用に伴う間接排出、スコープ3はそれ以外のサプライチェーン全体の間接排出を指します。スコープ3はさらに15のカテゴリに分かれ、原材料の調達から製品の使用まで幅広い排出を含みます。

これらの算定の土台になるのがGHGプロトコルという国際基準です。排出量は「活動量×排出原単位」という共通式で求め、係数は環境省のデータベースなどを参照します。スコープ2には、地域の平均係数を使う方法と、契約する電力メニューの係数を反映する方法の2通りがあり、再エネ調達の効果は後者に表れます。

用語を実務に結ぶ:用語を覚えること自体が目的ではありません。たとえば「スコープ3」を理解すれば、取引先からデータ提供を求められた背景が見え、依頼に応じる体制づくりの必要性が腑に落ちます。用語は、自社が置かれている状況を読み解くための道具です。意味を実務の場面と結びつけて理解すると、定着しやすくなります。

開示・規制の用語:外部とのやり取りで頻出

取引先や投資家とのやり取り、海外取引のある企業では、開示・規制系の用語も避けて通れません。CSRDはEUのサステナビリティ情報開示に関する指令、CSDDDは人権・環境デューディリジェンスに関する指令で、いずれも一定規模以上のEU域外企業にも影響が及びうるとされています。SBTは科学的根拠に基づく削減目標を指し、第三者が目標の妥当性を確認することで、訴求の信頼性を担保する役割を持ちます。

図のように、3系統の用語は独立しているのではなく、つながって機能します。排出を測り(スコープ)、目標を立て(SBTなど)、外部へ説明する(開示)という流れの中で、それぞれの用語が役割を担っています。

排出を測るスコープ・GHGプロトコル 目標を立てるカーボンニュートラル・SBT 外部へ説明CSRD・CSDDD 測る・立てる・説明するの流れでつながる
サステナビリティ用語の3系統の関係(用語の役割をもとにした概念図)

誤用しやすい用語と注意点

用語の中には、意味があいまいなまま使われやすいものがあります。たとえば「カーボンニュートラル」を、削減の実態が乏しいまま証書購入だけで達成したと示すと、環境訴求の信頼性が問われかねません。また「サステナブル」「エコ」といった一般的な表現は、根拠を伴わずに使うと優良誤認とみなされるリスクがあります。用語は正確な定義のもとで、根拠とともに使うことが大切です。

定義そのものが制度改定で変わることもあります。開示基準やガイドラインは更新が続いており、数年前の理解が古くなっている場合があります。重要な判断を伴う場面では、公的機関の最新の説明を確認する習慣を持っておくと安心です。電力調達の最新動向は電気料金動向と中堅企業の対策もあわせてご覧ください。

用語を社内で共有する

サステナビリティの取り組みは、経営企画や環境担当だけで完結しません。購買、物流、人事、広報など、多くの部門が関わります。だからこそ、主要な用語の意味を社内で共有しておくと、部門間の議論がかみ合い、取り組みが前に進みやすくなります。難しい言葉を並べるのではなく、自社の事業に引き寄せて「これは自社の何に関わるのか」を添えて説明すると、現場に浸透しやすくなります。

用語辞典は一度作って終わりではなく、制度改定にあわせて見直すものです。社内の共通言語として育てていく姿勢が、サステナビリティ対応の地力につながります。

立場別・あなたが先に押さえるべき用語(モデルケース)

同じサステナビリティ用語でも、自社が今どの場面で言葉につまずいているかで、先に押さえるべき系統は変わります。近い立場を起点に、3系統のどこから理解を深めるかの目安にしてください。

タイプA:大手取引先から質問書や調達基準が届き始めた製造業(年に数回、サプライヤー調査票への回答を求められる)

おすすめは排出を測る用語(スコープ1・2・3とGHGプロトコル)です。質問書はまず自社の排出区分を問うことが多く、スコープの理解がないと回答に窮します。直接排出・購入電力・サプライチェーンの区分を押さえると、依頼の背景と必要なデータが見えてきます。

タイプB:海外取引や輸出があり、EU向けの開示要請が気になる企業(欧州の取引先や規制の動向を社内で問われる)

おすすめは開示・規制の用語(CSRD・CSDDD)です。海外取引のある企業では、開示・規制系の用語が外部とのやり取りで頻出します。EUの指令が域外企業にも影響しうる点を理解すると、取引先からの照会に落ち着いて対応できます。

タイプC:自社サイトや会社案内で環境への姿勢を打ち出したい経営企画(対外的な発信で表現の正確さが問われる)

おすすめは目標・指標の用語(カーボンニュートラルとネットゼロの違い)です。対外発信では言葉の正確さが信頼を左右します。カーボンニュートラルとネットゼロの厳密さの差を押さえると、根拠を伴わない訴求による優良誤認のリスクを避けられます。

タイプD:部門横断で取り組みを進めたい担当者(購買・人事・広報など複数部門に用語を共有する必要がある)

おすすめは3系統を俯瞰したうえでの自社向け用語辞典の整備です。部門ごとに理解がそろわないと議論がかみ合いません。測る・立てる・説明するの3系統を俯瞰し、自社の事業に引き寄せた用語辞典を作ると、社内の共通言語として浸透しやすくなります。

複数のタイプに当てはまる場合は、いま最もやり取りが多い場面の系統から、目的ごとに理解を広げていくのが現実的です。

まとめ:3系統で押さえ、実務に結ぶ

サステナビリティ用語は、目標・指標、排出を測る、開示・規制という3系統で整理すると理解しやすくなります。中堅企業がまず押さえるべきは、自社の排出を測るスコープの概念と、取引先・投資家とのやり取りで頻出する用語です。定義は制度改定で変わることがあるため、公的機関の最新情報を確認する習慣を持ち、用語を実務の場面と結びつけて社内で共有していくことが、取り組みを前に進める力になります。

よくある質問

Q. カーボンニュートラルとネットゼロは同じ意味ですか。
A. 近い概念ですが、ネットゼロは削減を最大限進めたうえで残りを除去で相殺するという、より厳格な使われ方をすることが多い言葉です。相手がどの意味で用いているかを確認すると、議論の行き違いを避けやすくなります。

Q. 中堅企業はまずどの用語から押さえればよいですか。
A. 自社の排出を測るスコープの概念と、取引先・投資家とのやり取りで頻出する目標系の用語から始めると、実務に結びつけやすくなります。用語の定義は制度改定で変わることがあるため、公的機関の最新の説明をあわせて確認することをおすすめします。

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用語の輪郭がつかめたら、自社の取り組みの設計や開示の準備へと進めると理解が定着します。自社の状況に近いものから読み進めてみてください。

本記事は情報提供を目的とした一般的な解説であり、特定のサービスや対応を推奨するものではありません。用語の定義や開示基準、関連する指令・ガイドラインは改定される場合があります。実務での運用や開示にあたっては、環境省や金融庁など公的機関の最新情報を確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。

本記事は2026年7月時点の情報に基づいています。本記事は biz-trend編集部(株式会社弥)が編集しています。制度・料金・金融関連の数値は変動する可能性があるため、実行判断の前に一次ソースをご確認ください。編集方針・広告開示ポリシーはプライバシーポリシーをご参照ください。

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